2025年9月12日、映画『ブラック・ショーマン』が公開されました。
「ガリレオ」などで人気のミステリー作家、東野圭吾氏による小説を福山雅治さん主演で映画化した作品。
映画『ブラック・ショーマン』のあらすじや、原作小説との違いについての解説、観客からの感想や評価の賛否についても調査しました。
映画「ブラック・ショーマン」のあらすじ
映画『ブラック・ショーマン』は、超一流マジシャン神尾武史が事件の謎に挑むミステリー・エンターテインメント作品です。
観光客が遠のき活気を失った町で、多くの教え子に慕われていた元中学校教師・神尾英一が何者かに命を奪われたことから物語が動き出します。
そして、2か月後に結婚を控えていた英一の娘・神尾真世(有村架純)が父の訃報を受け、実家のある町に帰ってきます。
父がなぜ命を奪われなければならなかったのか。
真実を知りたいと願う真世の前に現れたのは、元マジシャンの叔父・神尾武史(福山雅治)。
かつてラスベガスで名を馳せた武史は、卓越したマジックの腕前と研ぎ澄まされた観察眼・誘導尋問を武器に事件の謎に挑んでいきます。
手品のように華麗に謎を解いていく武史の活躍は、新時代のダークヒーロー誕生の物語となっています。
ブラック・ショーマン原作との違いは?

映画『ブラック・ショーマン』は、基本的なストーリーは原作小説を忠実に映像化していますが、映画ならではの演出や構成の変更が加えられています。
原作では「マジックで培った手先の器用さと巧みな誘導尋問で警察を出し抜き、卓越した洞察力で事件の真相に迫る」という展開が描かれていますが、映画ではマジックを視覚的に強調して鮮やかでテンポの良い推理を楽しめます。
登場人物の池永桃子(生田絵梨花さん)が地元のホテルまるみやで働く人物として描写、容疑者の一人としても浮上します(原作の桃子は旅行代理店勤務、幼い子がいて夫と別居気味)。
映画オリジナルの終盤演出として、武史のバー「トラップハンド」で真世が父の英一と語るシーンが追加。
原作小説の持つ少し暗いイメージと異なり、全体的に軽快なテンポで物語が進んでいきます。
スタイリッシュな見せ場を増やした分、原作の読者からは「軽すぎる」「はしゃぎ過ぎ」と感じた意見も一部で見られます。
また、映画は福山雅治さんの主題歌「幻界」を採用し、物語の余韻を楽しめます。
映画「ブラック・ショーマン」の評価は賛否どっち?

映画『ブラック・ショーマン』の評価は、観客の間で賛否が分かれる結果となっています。
「コンフィデンスマンJP」シリーズを手がけた田中亮監督らしい演出が特徴的である一方で、派手なシーンを作りづらい内容。
登場人物が多いことから連続ドラマや5話程度のミニシリーズで見たいようなストーリーという指摘もあります。
高評価のポイント
- 東野圭吾原作ならではの緻密な謎解き
- 福山雅治の演技力と存在感が魅力的
- 福山雅治と有村架純の存在感が強く、掛け合いが心地よい
- マジックショーのような見せ方が楽しく、テンポよく最後まで飽きない
- 初見でも理解しやすく、幅広い観客が楽しめる
- 伏線回収やどんでん返しが気持ちいい
暗くなりがちなテーマを軽快なテンポとワクワクする演出で映画化した作品です。
原作のブラック・ショーマンはシリーズ化されていますので、今後はガリレオのように続編映画やテレビドラマも期待できますよね!
低評価のポイント
- 犯人が途中で予想できてしまう
- 同じBGMの使い回しが目立つ
- 全体的に軽い印象で深みに欠ける
- マジックや小ネタの挿入が多く、演出過多に感じる場面がある
- 原作の静かな不穏さや人物関係の機微が薄まった
エンタメ寄りのミステリーを求める観客からは高評価のようですが、本格的なミステリー映画を求める観客には物足りない部分もあるようです。
原作がある映画作品は、イメージの保持と革新のバランスが難しいところですよね。