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比例復活のゾンビ議員は定数削減でいなくなる?維新が求める比例代表削減の意味

選挙のたびに話題になる「比例復活」という言葉。

小選挙区で負けたはずの候補者が比例代表で当選する仕組みで、ゾンビのように蘇ることから「ゾンビ議員」と呼ばれています。

日本維新の会が自民党との政策協議で、議員定数の1割削減を提案し、比例代表の削減を念頭に置いていることを明らかにしました。

議員定数削減は衆院比例で調整 「死活問題」中小政党で高まる危機感(Yahoo!ニュース)

維新が求める比例代表削減の内容と、比例復活するゾンビ議員への影響について解説します。

目次

比例復活でゾンビ議員が生まれるしくみ

ゾンビ議員

比例復活とは、小選挙区で落選した候補者が比例代表で当選する制度です。

現在の衆議院選挙では小選挙区比例代表並立制という制度が使われており、有権者は

  1. 候補者名を書く小選挙区選挙
  2. 政党名を書く比例代表選挙

の2つに投票します。

衆議院議員の定数は465人で、小選挙区から289人、比例代表から176人が選ばれます。

この制度では重複立候補が認められており、同じブロック内であれば小選挙区と比例代表の両方に立候補することが可能です。

比例代表では、得票数によって政党への議席数が割り当てられていきます。

小選挙区で落選しても、政党が作成した名簿の順に当選できることから「民意に反している」との批判があります。

小選挙区で負けても比例代表で復活当選する可能性があるため、ゾンビのように蘇ることから「ゾンビ議員」と呼ばれているのです。

名簿順位が同じ場合は、惜敗率順で当選していきます。

ちなみに、重複立候補ができない参議院には比例復活はありません

比例復活なんて要らないという国民の声

比例代表制度は必要?

小選挙区だけでは1位以外の票が無駄になり、かたよってしまう恐れがあります。
得票率と議席数のバランスを取り戻すために比例代表は必要とされています。

比例復活という制度に対して、多くの国民から批判の声が上がっています。

選挙区で敗北した候補者が比例代表で当選することに、「ズルい」「まるでゾンビ」「敗者復活戦みたいな謎の制度」などの批判が相次いでいます。

小選挙区で負けた候補者は有権者の意思で落とされたはずなのに、比例代表で復活して議員になれるという状況が納得できないという意見なのです。

維新の代表が国会議員削減の対象として「比例代表」を挙げたところ、SNSなどでは比例復活をなくすという考えに賛成する声が相次ぎました。

小選挙区で敗れたということは、地域の有権者がその候補者を選ばなかったということです。

それなのに比例で復活できる制度に疑問を感じる国民が増えているのです。

定数削減でゾンビ議員はいなくなる?

定数削減だけではゾンビ議員はいなくなりません。

維新は比例代表には復活当選の仕組みがあることを理由に、定数削減するなら比例代表の削減を念頭に置いています。

比例代表の議席数が減れば復活当選できる枠も減るため、ゾンビ議員の数は減る可能性があります。

しかし重複立候補という制度そのものが残っている限り、比例復活の仕組みは存続します。

小選挙区で負けた候補者が比例代表で復活当選できる制度は、重複立候補が認められているからこそ成り立っています。

この重複立候補制度を廃止しない限り、比例復活という仕組みは残り続けるのです。

比例代表の議席を削減しても重複立候補が可能である以上、ゾンビ議員が完全にいなくなることはありません。

ただし比例代表の枠が減れば、復活当選できる候補者の数は確実に減少することになります。

比例代表削減に反対しているのは誰?

比例代表削減に反対しているのは、主に公明党や野党各党です。

自民党と維新による議員定数削減の議論に対して、比例代表の議席が多い公明党の関係者は「完全にうちへの宣戦布告だ」と語気を強め、野党各党も反発しているようです。

公明党は比例代表を中心に多くの議席を持っているため、比例削減は公明党にとって大きな打撃となります。

立憲民主党の野田代表と公明党の斉藤代表は会談で「企業・団体献金の議論が進まないから定数削減の議論に持っていくのはすり替えだ」との認識で一致しました。

共産党の田村委員長と社民党の福島党首も会談し、定数削減などに反対することで一致し、多様な民意を反映することができなくなると危機感を示しています。

どちらの会談も、本来議論すべき政治とお金の問題から目をそらし棚上げするために、定数削減の話にすり替えているという批判内容のようです。

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